ちょびの走りっこ記録

サブ3目指して走ってます!

OSJ安達太良山トレイル50k(2019)ふりかえり【その3】レース後半編

 

レポ続きです。

前回まで→

【その1】前日+スタートまで編

【その2】レース前半編

 

ーー

 

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本日は、上記③沼尻・箕輪山ゾーン、④土湯・箕輪山ゾーン、⑤塩尻馬車道ゾーン、そしてフィニッシュまでまとめます。長いです。5000字いっちゃいました。。

 

③沼尻・箕輪山ゾーン

 

途中胎内岩を通過しながら箕輪山山頂を目指し、横向温泉方面へ下っていく約10キロの区間

 

10:40 第一関門を出発。

 

分岐を曲がると、硫黄の香りがしてきました。 


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沼尻温泉の元湯です。


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温泉が湧き出ていて、不思議な藻ができています。


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パイプで温泉を下流にある沼尻温泉に送っています。

沼尻温泉といえば、8月3日のゲレンデ逆走マラソンの時に行きました。


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走行禁止区間スタート


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切り立った岩の崖がそびえたっているような迫力ある風景。圧巻です。

 

景観に感動しながら淡々と歩を進めます。

相当脚が重くなってきましたが、前にいるランナーが視界から外れないようについていきます。

 

がっつり上ったところで、大きな岩場に。


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胎内岩です。

這うようにして岩の間の隙間をくぐり抜けました。おぎゃー


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稜線に出ました。


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この避難小屋以降が歩行区間

 

すると前方に、4,5人のパーティの先頭、勇者ポジションにTOMSAIさんの姿!

しばらくして追いつきました。

 

それからTOMSAIさんといっしょに箕輪山の山頂を目指します。

また、この辺りから先行するランナーとのスライド区間にもなっていて、ものすごい勢いで駆け下りていくランナーを2人で、すげーすげーと言いながら進みます。

 

ついうれしくなってTOMSAIさんとおしゃべりしました。

ペースを乱してしまっていたらすみませんでした。

もう上りのペースを上げられない状態だったので、TOMSAIさんに引っ張っていただいて箕輪山山頂に到着(標高1728m)。


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山頂でポーズを決めるTOMSAIさん。

 

そして、下りに。

TOMSAIさんに散々引っ張ってもらったあげく、下りになるや否や先を行かせていただいた裏切り小僧ちょび。

 

ここの下り区間は、疲労していたのがかえってよかったせいか、身体がうまいこと脱力して、気持ちよく流れるように下ることができました。

「前行きます」と言って、何人かのランナーを抜いていきました。

 

グレートトラバースで田中陽気さんが下りのコツは「力を逃がすように」と言っていて、具体的にどうすれば力が逃げるのかはよく分かりませんでしたが、大きな荷物を背負いながらも軽快に山を下っている陽気さんのイメージで下ってみました。

走ろうと思わないで、細かく刻んで左右に脚をさばくかんじですかね。

 

今回、下りでいかに身体に負担をかけないようにするかが、長距離のトレランを攻略する上で重要なポイントになると思いました。上手に下れるようになりたい!

  

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下りを終えて、ロードにでました。

 

そして、第二関門へ。


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第二関門に着くと、驚いたことにDamaさんがパイプ椅子に腰をかけています。

お声がけすると、やはり体調がよろしくなさそうです。

少し休めば復活するのでは、などとお話ししつつ、僕はトイレに並びました。1基しかないからまた待ち時間が。。


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トイレの後、水とバナナ。コーラもあるけれども。

ほんと水とバナナしかないんだね。。

次もどうせ水とバナナなんだよね。。

 

なんだろう、この次のエイドを目指すぞーという気持ちがわいてこないかんじ。

 

ウルトラだとだいたい5キロおきにエイドがあって、さすがにエイドが全部バナナだけっていうのはなくて、次のエイドまでがんばるぞーってモチベーションを維持できるんですが、このレースの場合、そうはいかんざき。

 

いかにバナナだけで気持ちをつなぐことができるかが求められます。

 

いや、本来トレランって自力でやるものですからね。エイドに頼らない姿勢が必要だと学びました。この大会、そういう意味でとても硬派な大会といえると思います。

 

僕がエイドを出発すると同時にDamaさんがリタイアを決断されていました。

それと、TOMSAIさんもエイドに到着されて、冷たい蛇口の水だー!やっほーい!みたいなかんじになっていました。


④土湯・箕輪山ゾーン

土湯峠を走り、さきほど通過した箕輪山山頂を経由して、塩尻方面へと下っていく約13キロの区間

5つの区間の中で最も長い距離で、1番きつい区間でした。

 

13:15 第二関門を出発。

しばらくロードを走ります。


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トレイルに入ります。


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スキー場わきの小道を上っていきます。

 

すると、まわりに全然ランナーがいなくなりました。

 

スマホを見たら充電が十分ありそう。

 

音楽をかけることにしました。

 

まちがいさがし

まちがいさがし

  • 菅田 将暉
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

君の目が貫いた 僕の胸をまっすぐ~♪

 

まわりに人いないから口ずさむよね。

そしたら、すぐ分岐点でスタッフさんがいたよね。 

音楽かかった状態で何事もなかったかのように、おつかれーっすって通過したよね。

 


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その後とくにおもしろみのない道が続き、


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また、ロードに出ました。


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でまた、トレイルに入ります。

なんかどこをどう走ってるんだかよく分からなくなります。

 


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さっきの分岐に到着。ぐるっとまわってきたかたちです。ここから箕輪山方面へ。


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あそこまで上るのかー。

 

完走後、TOMSAIさんとどこが一番きつかったかと話したとき、この箕輪山の上りが一番きつかったと一致しました。

 

笹が茂ったぬかるんだ上り坂をただひたすら上り続けます。

もう足の踏ん張りがきかないのです。

ぬかるむ上り坂を、足がとられないように気を付けながら上ります。


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鬼面山に到着。

箕輪山までもう一息かと思いきや、頂はずっと先です。

 

心が折れました。

 

もう何も考えません。無になって前を行くランナーと同じぐらいのペースで、ただただ上り続けます。

 

上っても上ってもどこまでも続くぬかるんだ上り。

永遠におわらないんじゃないかと思うぐらい、山頂が近づいてくる気配が一向にありません。

いったい、いつまで続くの。

途中、完全に脚をとめて、放心状態になっているランナーもちらほら。

 

鬼面山からさらに上り続けること45分。


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ようやっと、箕輪山の山頂に到着しました。

 

スタッフさんによると、ここから下り6キロでエイド。

6キロか。。

 

もう脚が残っていません。

下りの一歩一歩がガンガン身体に響きます。もう軽やかに下るなんて到底無理。

 

そして、水が少なくなってきました。

日も傾いてきました。

 

やだよーもー帰りたいよー。

 

ランナーを視界に捉えていないと前に進む気力がわいてこないので、なるべく前のランナーについてきます。

 

エイドまであと2キロのところで水が尽きました。

 

川に沿った道になり、エイドが近づいてきた予感。

 

しかし容赦なくおそってくるドロドロの急傾斜。

足を一歩踏み外したら崖に落ちるっていうところもあるので、わずかに残る緊張感だけは失わないように。

 

すると、先行ランナーとのスライド。

お!エイドが近い!

 

エイドだー!


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16:50、箕輪山から下ること1時間半、第三関門のエイドに到着しました。

 

なんとそこに、ブタロウさんが!事前にくるって聞いてたけどね

 

ちょび「ブタロウさーん!(T_T)」

 

実際泣いてませんけれども。

むしろ今レポ書いていると涙ぐんできます。

 

ブタロウさんは、私設エイドでブラックサンダーを配っていました。

でも売り切れてしまったとのこと。


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うん、だってエイドに水とバナナしかないもんね!

そら一瞬でなくなるわ。

てか、最後のこのエイドにはコーラすらなかったっていう。。

 

いやいや、ブラックサンダーなんていいんすよ。

そこに来てくれたことでどれだけ元気をもらえたことか。

 

ザックに残していたお菓子を食べます。

コアラのマーチを袋ごと口にもっていって、一気に中身を口の中に入れて、水で流し込む。ワイルドだろ~

 

コアラのマーチ、少し残してブタロウさんにどうぞ!

遠慮するブタロウさん。

じゃあ、後からくるTOMSAIさんにあげてください!

 

その後、ブタロウさんに託したコアラのマーチの運命は。。

 

ーー

 

よし!あとはゴールするだけ!

 

あとゴールまでーー、9キロ。

 

9キロ。。

 

まだまだ全然なげーじゃん。。

 

いや、4キロ上れば、あと残り5キロはよく知ってる下りの道、馬車道だから大丈夫。

あと4キロ乗り越えるだけ!

 

塩尻馬車道ゾーン

 

辺りが少しずつ暗くなってきた16:55、ルーメンチェックを経て最後の区間に突入しました。

 

エイドで完全復活したので、グイグイ上っていきます。


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まずはシンプルな上りが続きました。

 

すると、まわりに全然ランナーがいなくなりました。

 

スマホを見たら充電がまだ大丈夫そう。

 

音楽をかけることにしました。

 

FRIENDSHIP

FRIENDSHIP

  • provided courtesy of iTunes

 

強かったねあいつは どんなに仲間が裏切っても~♪

 

まわりに人いないから口ずさむよね。

 

あつい血が流れてる ちょっと見じゃわからないけど~♪

 

なんか最近Youtubeをめぐっていたらたどりついた曲で、小学生の時、この曲が主題歌のドラマが好きでCD買って何度も聴いてたんですよね。

この夏ハマった映画の「少年時代」にも通じるところがあって。

 

会える時がくる いつかこんな時代を生き抜いていけたら~♪

報われることもある~ っ!

 

前方の曲がり角から突然ハイカー出現!サビの気持ちいところで!

 

音楽かかった状態で何事もなかったかのように、こんちはーつって通過したよね。

 

ーー

 

エイドで復活したものの、きついものはきついです。

そして、進んでいくにつれて、鎖やロープを使うアスレチック要素が増えてきました。

 

以下、TOMSAIさんの昨年のレポにあった画像から拝借。

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これだけ見てると大したことないように思うんですが、実際は一歩でも滑ったら確実に死ぬなっていう、生命の危機を感じるレベルでした。

脚のコントロールがきかくなっている最後の最後にこれもってくるかよっていう。。

本当に危険なところにはスタッフさんがついていますが、落ちたら死ぬことにかわりありません。

 

この上り区間が終わるくろがね小屋まで1キロという表示が出てきましたが、この残り1キロがきつい。

 

先を進んでいたランナーが前を譲ろうとしますが、いや僕はもうこれ以上はやく行けないんで、っていって、さらに僕の後ろのランナーも無理ですとなり、3人で立ち止まる状態に。

 

ふー

 

一息ついてまた3人で上り始めました。

途中、僕は補給をしたくてその戦線から離脱。

 

脚がもうあがんねーよっていう状態でなんとかあがいて進みます。

 

すると、

 
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道が開けました!くろがね小屋だ!

 

馬車道に出ました!


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おわる、ようやくおわる、あとはこの道を5キロ弱下るのみ!

 

最後の馬車道は遅いペースでも走り切る、そう決めていました。

 

この馬車道は去年10kで走った時に派手に転倒し、ほろ苦いトレランデビューとなった思い出の道です。

 

もう軽やかに下ることはできません。

去年走った10kの時とは比べものにならないくらい小さな小さな一歩で、でも確実に。

 

朝5:00にスタートして13時間半、時刻は18:30をまわりました。

トレイルの50キロがこんなに時間かかるとは思いませんでした。どんだけ動き続けてんのよ。

 

辺りは一気に暗くなり、ルーメンを点灯。

 

身体がよろけて転びそうになります。あぶないあぶない。

最後の最後に転んだら台無しです。

暗闇に包まれた馬車道を、慎重に慎重に走ります。

 

2人のランナーをパス。

「ラストがんばりましょう!」

 

この50キロ、たくさんのランナーと声をかけあいながら進み続けてきました。

素晴らしい景色にも出会えました。

身体はヘロヘロだけど、最高の冒険ができました。

 

すると、ゴールが近づいてきたことを知らせる鳴り物の音が聞こえてきました。

 

馬車道を抜けて、ゴールの明かりが見えました!

 

よかった、生きて帰れる!

 

よーし、ゴールだー!!

 

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タイム 13:54:55

 

ゴールを通過した直後にブタロウさんの姿が!

 

ちょび「ブタロウさーん!(T_T)」

 

実際泣いてませんけれども。

 

ーー

 

スントのデータです。

途中GPSが取得できませんと表示されたり、基本的に信用できないデータなのであしからず。

 

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つづく。(次回ゴール後のできごとをまとめて終わります。)