最近新しいカタカナ言葉を学習しました。
今後のランや自分の生活に活かせるようなヒントを得たので書きたいと思います。
サンクコストとは、既に回収が不可能であるコストを意味します。
僕が考えたオリジナル問題で考えてみます。
【問題】
あなたは市民ランナーです。
3か月後のフルマラソンの大会で自己ベストを更新することが目標です。
ダニエルのおっさんの教えに忠実にしたがって3か月間トレーニングをし、アルファフライネクストやGPSウォッチも新調しました。
ところがレース前日、急に体調を崩して高熱がでました。また、妻が「あなたは自分のことばかりで家族のことを考えていない」と突然キレて、アルファフライを燃えるゴミに出して捨てました。明日のレースで自己ベストの更新は絶望的です。
さて、あなたは明日のレースに出場しますか?しませんか?
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きっぱり出場しないと答えた方は続きを読む必要はありません。
僕の場合、ほかのレースを予定しているかとか、翌日起きて熱が下がっていたらとか条件次第かなと考えてしまいます。
しかし、レースに出場するかどうか悩んでいる時点でサンクコストの呪縛に陥っています。
レースに出ればさらに体調を崩して病院代、薬代が余計にかかってしまいますし、妻の反感をさらに買って、家庭崩壊、離婚の危機になってしまうかもしれません。
ふつうに考えればレースにでないほうがいいに決まっています。
それでも悩んでしまうのはどうしてでしょうか。
3か月かけたトレーニング、かけた時間とお金を無駄にしたくないという思いがあるからです。
しかし、残念ながらその時間とお金は無駄になりました。
どんなに嘆いても、かけた時間とお金は戻ってきません。
これがサンクコストです。
経済学的に考えるならば、ものごとを判断するうえでサンクコストは排除しなければなりません。
もどってこない損失について考えるのは無意味です。
未来に向かってプラスになるかどうかだけを考えるべきです。
サンクコストが頭にあると、未来に向かってマイナスのことをしてしまいかねません。
例えば、トレーニング効果より疲労が上回るのにきつい練習をしてしまう、故障を悪化させる危険があるのにトレーニングをしてしまう、なんていうのもサンクコストによって判断を誤る例です。
振り返ってみると、僕はサンクコストにとらわれまくって生きています。
サンクコストに打ち勝つためには「勇気を伴うあきらめ」が必要です。
もっとも、これは経済的に考えればのこと。さきほどの問題で健康や家族をダメにしてでも大会で走ることに価値を見出すならば大会に出ることが正解になります。最終的に何に価値を見出すかが問題になります。
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なぜ僕が突然、このサンクコストについて考えだしたかというと、コロナに対する疑問を解決すべくネットでサーフィンをしていたところ、たまたまその言葉を見つけたからです。
その疑問とは「緊急事態宣言に意味はあったのか」ということです。
緊急事態宣言が解除され、その総括をしなければならない時期にきていると思います。
しかし、この珍コロさわぎに関して、サンクコストの罠にはまらないようにするのはとてもむずかしいことです。
これまで払ってきた犠牲が大きいからです。
僕は緊急事態宣言に意味はなかったと考えています。
このグラフは5月14日の専門家会議の会見で用いられた発症日をベースにした感染者数と実効再生産数の推移です(※厚生労働省が発表している感染者数に基づいて作成されるグラフとは異なります)。
このグラフから分かる通り、緊急事態宣言前に感染はピークを迎えており、 緊急事態宣言の前後で感染者数減少のペース、実効再生産数に変化はありません。
もちろん結果論ですが、緊急事態宣言で言い始めた接触8割減少と感染者数の減少に因果関係はなかったということになります。
専門家でもなんでもない僕でもこれまでの感染者数の推移から次の2つのことがはっきりといえます。
・緊急事態宣言前からしていた対策には効果があるものがあったかもしれない。
・緊急事態宣言後にはじめた対策には効果がなかった。
宣言後の行動の変化に意味はなかったとしても、宣言前からとっていた予防行為を緊張感をもって継続するためには緊急事態宣言が必要だったと評価できるかもしれません。しかし、そのような評価は国民をバカにしていると思います。
上記グラフの引用元で僕が納得した記事がこちらです。
この記事によると、日本で感染者を抑えられたのは3月末までに欧米各国からの入国制限をしてヨーロッパ型ウイルスが入るのを抑えられたからではないかとのことです。
また、日本人には自然免疫があるという説も説得力があると思います。
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ここまできて僕が何を言いたかったかというと、諸悪の根源、 山中氏についてです。
まず流れを整理します。
4月7日、7都府県を対象に緊急事態宣言。
4月1116日(5/27訂正)、緊急事態宣言を全国に拡大。
4月16日、山中氏が例のエチケット動画を投稿。
4月16日の動画によって、マスクラン、バフランなるものが世の中に知れ渡ることになりました。
しかし、さきほども述べた通り、緊急事態宣言後の行動の変化は感染者数の増減に全く関係ありません。
マスクランをしようがしまいが感染者数は減っていました。
マスクランはコロナ対策に全く無意味だったことは明らかです。
マスクラン、バフランは本当にただの「気休め」でしかありませんでした。 いや、気が休まるどころかストレスにしかならなかったはずです。
良識あるランナーにとってマスクランに意味がないことは常識といってもいい状況になっていましたが、意味がないと分かっていながら世間の目を気にしてマスク・バフをして走らざるを得なかったランナーが大半だったと思われます。
マスクをして走る意味合いが、コロナから身を守るためではなく、自粛警察から身を守ることにかわっていきました。
科学的根拠のないことをエチケットと称して、マスクラン、バフランを社会に流布した山中氏の罪は極めて大きいです。
いつでもどこでもマスクをしなければならない空気をより一層強くしました。
マスク不足は加速し、結果、本当にマスクを必要とする医療機関にマスクがまわらない事態が続きました。そのような医療現場の状況が院内感染につながったのではありませんか。
山中氏の動画と院内感染を結び付けるのは飛躍しているかもしれませんが、過度なマスク信仰に危険性があるのは確かです。
中国では体育の授業中にマスクをした生徒が死亡する例が相次ぎました。エチケットだからやらないよりはやった方がいいと言って済ませるレベルの話しではないと僕は思います。
山中氏は動画で発信したことに対して、今からでも新たな動画をアップして科学的データに基づいて補足説明をすべきです。
動画の概要欄の説明を後から変更したり、自身のHP上で補足して済ませて逃げるのは卑怯です。
少なくとも僕は、このブログを読んでいる人がたとえ1人だとしても、掲載した情報に間違いや誤解を生む点があればブログ上で訂正します。それはツイッターだろうとインスタだろうとなんだろうといっしょです。
情報の無責任な垂れ流しをしないことが、しがないブロガーであろうと一情報発信者としての責務だからです。
それができない人間にSNSで情報を発信する資格はありません。
余計な一言ですが、最近、山中が孫正義の財団の副代表を務めていることを知り妙に納得しました。あーきなくせー
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サンクコスト効果により、マスコミは緊急事態宣言の検証すらしないまま、コロナ対策の是非をあやふやにしてしまいそうです。
いまやコロナは政治の道具と化しました。
「ちゃんとやってますアピール」はもううんざりです。
マスコミに踊らされることなく、正しい情報をもとに行動することを心がけていきたいと思います。
正しい情報に基づいて行動するならば、自分の行動に後ろめたさなど感じる必要はありません。
大切なことは、未来に向かってプラスになるかどうかです。
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今日は20キロジョグりました。
今月の走行距離 495キロ
おしまい。