前回の続きです。
前回→【その1】スタートまで
ーー
8:00 スタート
スタッフさんに見送られて出発です。
本日のコースはこちら。
公式サイトにあるハイキングコースマップに書き込みました。
①スタート、②登山道入口、③ゴール、赤がロード、青がトレイル部分になります。
こちらも公式サイトのコース概念図に同様に書き込みました。
ざっくりふた山上って下るかんじです。
「ハイキング」コースとうたわれていること、標高がそれほど高くないこと、お米を背負うことに鑑みて、ほのぼの系コースかと油断していましたがなかなか険しいコースでした。
ーー
まずはロード。猪子トンネルに突入します。
トンネルに入って、GPSのスタートの押し忘れに気付きました。1分遅れでGPSスタート。
これから書くタイムや距離はだいたいなのであしからず。
トンネル終了。
トンネルを抜けてしばらくするとゴールが見えます。
わー春っぽい。
ゆるやかな下りのロードをひたすら進みます。けっこう長いです。
ロードである程度スピード出しても大丈夫だろうと思って走りましたが、もう疲れてきました。
登山道に向かう曲がり角が見えてきました。
いよいよ登山道に入ります。
ここまで、ロード5.2キロ。タイムはだいたい26分。
登山道突入。
まもなくして歩きます。
だんだん傾斜が急になり、早くもふくらはぎがぱんぱん。
前日悪天候だったので悪路を予想していましたが、ドロドロでストレスがたまるような道は全体を通してほぼありませんでした(雨だったら大変だったかもしれません)
少しずつ視界が開けてきて、木々の隙間から景色が見えてきました。
ガスっているのもあいまって、いかにも仙人が修行してそうな仙人感がでてきました。
険しい岩場もありつつ。
看板に「令和」って書いてありました。うそです。無駄に新元号使いたくなるあるある。
少し開けたところにきました。看板に「おべんとうひろば」って書いてあります。
スタートから約6.2キロ。上りはここでひと段落。
僕がふーっと一息つくのを尻目に、後続ランナーがぐいぐい進みます。
みなさん、アグレッシブ。
ほかの大会だと僕のようにケータイで景色撮りながら走っているランナーを見かけますが、この大会でそのようなランナーは皆無でした。みなさん、本格志向でトレイル経験を多く積んでいるランナーが参加しているように思いました。
ある程度平坦な区間を走って石尊山山頂に到着。標高485m。
山頂だけど景色は何も見えん。
次の深高山まで縦走するようなかんじです。
第1チェックポイント手前。写真の撮り合い。
第1チェックポイント。ゼッケンに☑してもらいます。
チェックポイントではゼッケン番号を確認してもらい、「●●さん、がんばって」と名前をよんで応援してもらいました。ありがとうございます!元気がでます!
深高山山頂(標高506m)
スタートから1時間7分、8.1キロ進みました。
ここから下り。
だいたい下りきったところで、ロードに接するようなところ。
ここでも応援をいただきました。
応援の声が大きくなって、まもなく第2チェックポイント。
約9キロ進んだところで、第2チェックポイント。
ここから上ります。
相当しんどくなってきました。上りきつい。
荒々しい。
上りがゆるくなってきたところで、ダムが見えてきました。写真では伝わりませんが。
眺めがいいところ。
険しい岩場。写真を見ても自分がどこをどう進んだのか不明。
だいたい11キロ地点で、犬帰りという分かれ道ポイント。
待ち時間が発生するくさりコースを行くか、まわり道をするけど時間のロスは少ない巻き道コースを行くか、自由選択制です。
僕は迷いなく、くさりを選択。なんかおもしろそうだから。待ち時間で休めるし。
待っている間、他のランナーさんの話によると、巻き道は少し下った後かなり急な階段を上るとのこと。
タイムを狙うなら巻き道を選択するべきですが、そこまで差はつかないなんて話しも。
後続ランナーの選択状況を見ていると、くさりを選ぶランナーの方が多いようでした。
スタッフのおじちゃんと話しながら待ちます。
ここを超えればちょこちょこっと行って山頂とのことでしたが、実際はそうでもなく山頂までけっこう距離がありました。
ほぼ垂直。
いよいよ僕の番が来ました。
初のくさり上り。
無事に上れました。
手を滑らせたら死ぬなと思いましたが、怖がらずしっかりくさりに頼って上るといいです。
しばらくして、山頂が見えてきました!
仙人ヶ岳まで20分。わーまだけっこうあるー。
その後、スライド区間に、下り優先とのアナウンス。
下りのランナー、超はやい。
「ナイスラン!」「がんばりましょう!」とかスライドするランナーと声をかけあいます。
上りでヘロヘロになりながらも山頂が近づいてきました。
仙人ヶ岳頂上(標高662.9m)。
スタートから2時間40分、13.2キロ進みました。
スタッフさんからチョコあるのでどうぞーとすすめられ、チョコを1個いただきました。ありがとうございます。
山頂の眺めは、やっぱり微妙。
よーし、残り4キロ、あとは下るだけー!
脚がかなり重くてコントロールがきかなくなってきましたが、上りがもうおわったので気持ちが上がってきました。
はりきって下りへ。
これが悪夢のはじまりでした。
気持ちよくぐんぐん下ります。1人抜くー
スライド区間を終えたところにあった看板。「はじめてわかる美しい山」
山の美しさは上った人にしか分かりません。
下るー
下るー下るー
1人抜いて、ますますテンションあがるー
そして、この写真を撮った直後でした。
後からこの写真を見れば、脇の道から橋になっている丸太を通るのが正解なのが明らかなんですが、疲れていてあれこれ考えず早く前に進みたかったことから僕はここをあろうことか直進。
岩に囲まれた水溜まりがありましたが、ちょっと足が濡れてもいいやと思ってそのまま突入。
ズボーーーーーーーー!
予想外の深さ。
お尻のあたりまで水につかりました。
急いではい出ると、先の岩にすべってこける。
でも派手に転ぶことはありませんでした。
進んだ先が沢になっていることに気がつかずに突入していました。
危険察知能力ゼロ人間。
おしりから下がびしょ濡れ。うーわっ
こけて痛かったけど、ケガはなし。
気を取り直して前に進もう。
ちょっと進んで嫌な予感がしたので確認しました。
あれ?
スマホがない。
絶望。
スマホはどんなことがあっても落とすことがないように必ず腰ポケットにしまうようにしていましたが、下りになってから、ついつい物が落ちやすい横のポケットにしまっていました。
まわりはそこらじゅう落ち葉でいっぱいの山道。
ここからさがすの・・・
あの深い水溜まりに落ちた可能性も大。
終わった。人生終わった。
(財布やスマホを落とすと本当に人生終わったなと思います。)
僕が途方に暮れて道を引き返そうとしていると、どんどん前を進むランナーの中に1人だけ僕に声をかえてくれたランナーがいました。
そのランナーは僕がさっき抜いたランナー。
「どうしましたか。」
ちょび「スマホ落としちゃいました。。」
「僕のスマホから電話かけましょうか」
ちょび「お願いします!ありがとうございます!080-●●●●~です。」
絶望の中にも希望の光はあるのです。
ちょび「どうですかね。」
「ちょっと待ってくださいね。」
ちょび「本当にすみません。」
「あー、圏外ですね。」
絶望!
それは望みが絶たれた状態、まさしく絶望。
ちょび「足止めさせて本当にすみません。あとは自分で何とかするので先行ってください。」
僕は足を滑らせた水溜まりの方へ。
どんどんランナーが先に進んでいきますが、もはやトレランどころじゃありません。なんだ米背負って山走るって。
ちょっとさがして見つからなかったらあきらめるしかない。
僕の姉が先日キャンプか何かに行ったとき、仮設トイレのボットンにスマホ落として、完全にスマホを失ったけど普通に生きてるし。(バカ姉弟)
スマホがなくたって生きていけるよ。
水溜まりのところにつきました。ん?
ん、ん!?
「ありましたー!!」
引き続きスマホに架電してくれていたランナーさんに向かって声をあげました。
水溜まりに落ちるすんでのところにスマホがぽつんとたたずんでいました。
奇跡。
すぐに見つかって本当に本当によかったです。
スマホさがしに協力してくれたランナーさんにしっかりお礼して、ゆっくり走りはじめました。
もう二度とスマホを横ポケットに入れることはありません。
そして、慣れないコースで必要以上に写真を撮ることもしません。
ーー
テンションがあがらず、反省しか出てこなくて、残りはゆっくり進みます。
にもかかわらず、橋がかかっていない落ち葉に覆われた沢に右脚膝下がズボっとなって負傷。
スマホの件が大きくて、もはや描写は適当。ちょっとケガしたくらいのことでは動じません。
走りながらやたら痛いなーと思って膝下見たら見事な鮮血。
ゴールまであと少し、進むしかありません。
あと1000m。
あと500m。
こういう沢にかかる丸太の橋が数カ所あったんですが、丸太が腐ってるんですよね。丸太たわむし。体重が重い方がのると危ないと思います。
あと300m。
あーようやく終わる。
ゴールゲートが見えてきて、盛り上がる声が聞こえてきました。
心からの感謝と反省の思いで、ゴール!
タイムは3時間18分03秒でした。
ジオグラフィカ、ゴールしてしばらくしてからストップしました。
次回、ゴール後です。
つづく