レポ最終回です。
前回まで→
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10:39、スタートから5時間39分、第一関門を出発。まだあと3つ山を超えなければいけません。ながいなー
第一関門出発後はスライド区間。TOMSAIさんとスライド。かなりおつらそうでリタイヤするとのこと。一筋縄ではいかないのが安達太良ですね。
例年、ここの区間はいやってほど晴れるんですが今回はめずらしく曇っています。
Damaさんが淡々と足を進めています。
このフォームがトレランの省エネスタイルのお手本でございます。手と腕はブラブラさせず固定する。
Damaさんはそのお名前から分かるとおりダーマの神殿で修行を積まれたにちがいありません。
その後上り。どんどん傾斜がきつくなっていきます。
上りはじめてDamaさんとお別れ。僕が前へ。
Damaさんは次の関門でレースを終了されたとのこと。一筋縄ではいかないのが安達太良ですね、いやほんとにマジで。
この後、上りが強い、上りおじさんについていきます。
上りおじさん、足をとめるランナーがちらほらいるかたわら息をきらすことなく上ります。
きさくな方でお話ししながら上り続けます。
今回撮った写真の中でお気に入りの一枚。
安達太良らしい岩場と上りおじさんの力強さの組み合わせが乙です。
そして、胎内岩の胎内くぐり。
うまれて!
とびでて!
マタニティー!
僕、一瞬耳を疑ったんですが、上りおじさんが胎内岩をくぐった直後に一言。
「うまれたー」
すごくないですか?僕の草の根運動がついに実を結びました!
これふつうの常識ある人間だったら岩くぐったぐらいで「うまれた」なんて言いませんよ。完全にいかれてますよ。いかれぽんち。
僕の地道なマタニティ運動の賜物です。世間に浸透したということです。
今回のレースで一番うれしいできごとでした。
安達太良以外にも胎内岩、胎内くぐりと名のつくものはあっちこっちにあると思います。安達太良に限定するつもりはないので、マタニティ運動を全国展開していくことが今後の目標です。
上から撮ったマタニティー
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マタニティーの後は稜線を進んでいきます。
雲行きがあやしくなってきました。
この後箕輪山山頂に向かって上りますが、その途中雨が降ってきました。
はじめはパラパラとした雨がやがて本降りに。トレイルがぬかるみ始めます。
箕輪山の上りの途中、短いスライド区間があります。
ぬかるみの中、上位の選手に道を開けたりなんだりかんだり。
午後から雨予報だったので覚悟はしていましたが、天気がそこまで大きく崩れる空模様とは思いませんでした。箕輪山山頂付近で雨はザーザー降りに。
そして、下りへ。
ここの下りが最悪でした。
あちこちで悲鳴が響きます。
去年、一昨年は天気に恵まれたので忘れかけていましたが、久々にきました、ヤバタラが。ヤバ谷園が。
急な下りとドロドロヌルヌルの連続。
こんなのどこに足をつけようが滑るに決まってるじゃんっていう。圧倒的無理ゲー。
尻もち連発。泥だらけです。
前を行く上りおじさんがぽろっと一言。
「ふざけるな。」
さっき「うまれたー」なんて発言していた人が一変。ちょっとしたDV気質を垣間見た気がしてドキッとしてしまいました。
とうとう根負けして上りおじさんが僕に前を譲りました。
上りおじさんの心をへし折った安達太良。ヤバタラすぎる。
傾斜がゆるやかになり雨が弱くなってきました。
前を譲られた僕はここぞとばかりに一気に前へ。今まで苦難をともにしてきた上りおじさんを引き離す得意の裏切り小僧発動。(リザルトを確認したら上りおじさんは19:30過ぎに無事ゴールされていました。)
なんつったって僕7回目ですから、あだたら。
このドロドロヌルヌルははじめてではありません。
2021年大会、ちょうど同じ区間のドロヌーバに完全に心が折れて次の関門を突破することができませんでした。
師匠Qさんにドロドロが苦手でどうすればいいか教えを乞うたことがあります。
Qさんいわく、スベることをおそれず前に足を出せ。要するに精神面が重要だと解釈しました。
2021年大会のリベンジです。何度もスッテンコロリンしてしまいますが気持ちを切らさずに下ります。
下り進めれば楽になってくるかと思いましたが、ロードにでる最後の最後までドロドロでしんどかったです。
ロードにでるころには雨はやみました。この後も雨が降り続けたら完走はかなりきびしくなるだろうと思っていたのでここで雨がやんでくれて助かりました。
唯一のロード区間を300mほど進んで第2関門へ。
13:18 第2関門マウント磐梯通過
この関門は14:00締切り。シビアに設定されているので、もうちょっと緩和してくれると完走率が上がると思うのですが。
お水を補充。
バナナオレンジお菓子に個数制限が記載されていますが、いくらでも食べていいということで食べ放題。お菓子は補給用に何個かザックへ。
ドロドロ区間でかなり消耗して余裕度がすっかりなくなってしまったので、しっかりエネルギー補給。
第2回わらび餅食べ比べたいかーい!
優勝者は、桃わらび選手!
二連覇です。ファミマに売ってるのでご賞味あれ。
ここのエイドにはジャバジャバ水がでている水道があります。
シューズの中にちょっとした小石が入り込んで気になるのでドロドロのシューズを洗い流すかどうか悩みます。
泥の量がすごいので中途半端に水で流してもシューズに砂が残って余計状態が悪くなるかもしれません。
悩んだあげくシューズを脱いで水で洗い流すことにしました。
これが正解でした。シューズの中の不快感はなくなりました。この先もまだまだ長いので気になるところを放置しなくて正解でした。エイドでしっかり時間を使って次の関門に向けて準備することが重要だと感じました。とはいえここのエイドに20分近くいたのはのんびりし過ぎ。
13:30 第2関門を出発。
次の最終エイドまで8キロ。その関門時間は17:30。
スマホの充電があやしくなったのでこの先はほぼ写真を撮りませんでした。
ここから先は先ほど通過した箕輪山の山頂を別のルートから上ります。
ほぼソロ活動でした。まわりに全然人がいなくてさびしかったですが、途中ハイカーさんグループとスライドして声をかけていただきました。
ここの上りは終盤、ぬかるみと急騰の合わせ技がかなりきついです。このコースの中におけるバラモスないしムドー級のボスです。いや、バラモス、ムドーとはまたちがうんですけどラスボスっていうには大げさっていうか。んーーー、全然いい例えが浮かばないのであきらめます。
ただここの上りを終えればそれ以上きつい上りはないので完走が見えてきます。
15:03 箕輪山山頂(標高1728m)に到着。
無事に上り切りました。ここまでくるとだいぶ精神的に楽になります。
さきほど通過したとき降っていた雨はすっかりやんでいました。路面の状態もひどくありません。
日が傾きはじめ乾いたさわやかな風が吹いています。
夏のおわり~♪
いや、むしろ
真夏のピークが去った~♪
どっちでもいいわ。
ここから先はゆるやかな下り、途中歩行区間があります。
ゆるやかな下りを気持ちよく下れるかと思うと、木の枝が妨害してきて全然気持ちよく下れません。一回メガネが外れて落ちました。目があ目があああ
川の流れる音が聞こえてくると次の関門が近そうな予感がしてきますが、そこからけっこう長いです。
細いトレイルで進みにくく、前を譲られたくないけど譲られてしまうパターン。
「僕遅いんで遅いとき抜いてもらっていいので・・・」
いいからさっさと行けや。
16:19 最終関門塩沢スキー場到着。
関門を通過するときにルーメンの点灯チェック。
コーラをぐびぐびいただきます。
フルーツ、お菓子の食べ放題コーナー。
バナナ4つ、オレンジ4つは食べたかもしれません。
16:28 関門を出発。
フィニッシュまであと8?9?キロ。
3キロほど上ったあと、5キロの馬車道の下りです。
エイドでしっかり補給したおかげか足がさくさく動きます。
後ろについているランナーさんと会話。
郡山にお住いの方。今回が2回目の参加。前回は第2関門を通過できずにおわってしまったとのこと。
「このタイム帯なら完走余裕ですよ、のんびり歩いても大丈夫です。」
先輩ヅラしてんじゃねーよ、きめーな。
「ドロドロたいへんでしたねー。心折れましたねー。」
ドロドロ地獄や箕輪山の上りを乗り越えたという仲間意識があるからお話ししたくなるんですよね。
ここから先、崖みたいなところを鎖を使って渡ったり、渡渉したり、ロープを使って壁みたいなところを上ったり、アドベンチャー感満載です。
上記2枚は2020年大会で撮影したもの。
この時と比べると足場が整備されて危険度が軽くなりました。
上りの中盤、ロープを使って壁みたいなところを上るとき、両足の付け根が攣った風味を感じましたが、もう終盤なので気にせず進みます。
上りを終えて幅員の広い馬車道にでました。
いよいよゴールが近づいてきました。
ゴールまで砂利の馬車道が長いんですが、淡々と走り続けます。
暗くなってきたので途中ルーメンをオン!
下り続けること35分。ゴールのゲレンデが見えてきました!
だいぶミスティーです。
会場のBGMにOasisのDon't look back in angerが流れています。
ゴールにぴったりの曲調です。
世代的に運営にオエイシスファンの方がいて、再結成のニュースがよっぽどうれしかったんでしょうね~
ゴール!
コースに向かって一礼!
ありがとうございました!
そして、後続のランナーも笑顔でゴール!とてもいい表情です。
達成感と充実感でいっぱいです。
フィニッシュタイム
13:14:36
2024 OSJ安達太良山トレイル【50K】
出走人数:368名/完走人数:205名 完走率:55.7%
去年の完走率は64.0%
ちなみに優勝者は須賀暁選手、7:13:20。はーやっ
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完走後レストハウスで豚汁のふるまいをいただきました。
ちゃんと具入ってます。
2杯いただきました。
水道で泥を落とした後お風呂に入りに行きます。
会場すぐ横の「奥岳の湯」に入ろうとしたら最終受付の19時を2分ほど過ぎて門前払いにあいました。しかたない。
会場から岳温泉の中心部へ。無料入浴券で利用できるマウントインさんの温泉へ。
「奥岳の湯」は無料券が使えないので(会場のとなりなのですぐお風呂に入りたいならここ)、むしろ無料で利用できるマウントインさんの温泉でよかったです。20:30まで利用できるので制限時間の20時にフィニッシュしても超急げば間に合います。
温泉に入ってすっきりんこ。この温泉が格別です。ふぅ~
それからおうちに帰りましたとさ。
めでたしめでたし。
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とうことで総括です。何度上ってもあきない安達太良。過酷さが増すほどやりがいを感じます。
今年は例年に比べてサポート体制が強化されていたと感じました。
例年ボランティアスタッフ不足が問題だったと思われるのですが、去年の大会から大会サポーターを募集するようになりました。
大会サポーターは謝礼または翌年の出走権が得られます。出走権は1万円以上の価値があります。
ほかにもそういう大会はあると思いますが、ここ数年どこの大会もスタッフの人員確保が本当にたいへんなことなのだろうと感じます。
先日、安達太良で練習をごいっしょしたMさん、Nさんは10kに参加して、50kでは大会サポーターとしてエイドスタッフを担当されていました。エイドで声をかけていただいてありがたかったです。自分もそういうかたちの参加を考えていきたいと思います。
このような体制の大会運営が定着する見通しを感じましたので、今後も安心して大会に参加できそうです。
ということでレポは以上です。
大会を支えてくださったみなさん、声がけし合ったランナーのみなさんに感謝の一言で締めます。
存分に楽しませていただきました!ありがとうございました!
おしまい。